「眠れない夜の月」では、人形をフィルムの1コマ毎に少しずつ動かしてカメラで撮影し、あたかも自然に動いているように見せています。
このような撮影技法をストップモーション・アニメーションと言います。
24コマで1秒間になるので、25分間の作品を作るために、撮影だけで1年以上の時間をかけて制作されています。
「眠れない夜の月」の舞台は、木々が生い茂る森の中…なんと、スタジオの中に作られたセットなんです!本物の木を一本一本植え、土をしき つめたり、本当の森にあった落ち葉や木、どんぐりなども使ってつくられました。まるで本物の森の中のよう…
木のぬくもりを感じられる、精巧なミニチュアの数々。木を切るどうぐやランプ、家や家具、お皿、おいしそうなパンも…全部手づくり! 一つ一つが人の手でていねいにつくられて、やっと一つの景色ができあがっています。
登場するキャラクターの人形は、デザイン画をもとに描かれた設計図から骨をくみたて、ウレタンの肉をつけて、服やくつ、カバン、しっぽや まゆげなどもつけたら準備万端!撮影の合間に必要なからだの修繕は、寝ているあいだにこっそりしてたみたいです。
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脚本・監督・アニメーション:八代 健志
『”宿り木”を知ってますか?
冬になると、葉っぱを落とした大木の枝に、小さなまん丸い木がくっついてることがあります。
これが”宿り木”。
ぼくは、これは月の抜け殻じゃないかと思いました。
地平線から昇る途中で、木の枝に引っかかってしまった月が洋服を脱ぎ捨てるように脱皮して
また空へ昇って行く。その抜け殻が、宿り木、、、、、
このお話は、そんな想像から生まれました。
もし、宿り木を見つけたら、そこに月がひっかかってる様子を想像してみてください。
案外、ホントに月が引っかかるような気が、してきますよ。』
1969年秋田県出身、1993年東京芸術大学卒、太陽企画株式会社入社。CMディレクターとして数多くのCMを手がけるかたわら、人形アニメーションの世界に興味を 持ち、独自に研究・実験を重ね、CMやWebムービー等でも数多くの人形アニメーション(コマ撮り)作品を手掛けている。2012年に自主作品「11月生まれの男の子 のために。」を完成。第14回 広島国際アニメーションフェスティバルにおいて、「現代日本のアニメーション」14作品の一つに選出され公式上映された。 2013年にプラネタリウム初のコマ撮り作品「ノーマン・ザ・スノーマン」を完成。